【ランナー向け】ランニング中の足裏の痛みを予防しよう!
ランニング中に足裏が痛むことはありませんか??
盛岡シティマラソンも近づき、参加されるランナーの皆様も練習に熱が入ってきていることと思います。さて今回は、長距離ランナーに多く見られる「足底腱膜炎」をいかに予防するか?について簡単にお話しします。
足のアーチに足底腱膜は関与する
足には3つのアーチ(内側縦アーチ、外側縦アーチ、横アーチ)があるのですが、足底腱膜は足アーチの保持に重要な役割を果たします。足を蹴り出す瞬間、足底腱膜が緊張した内側縦アーチが上昇する巻き上げ現象(windlass mechanism)と言われる機能がありますが、この機能により前方への蹴り出しをスムーズに行うことができます。また、アーチを保持することにより足底からの衝撃を吸収して踵部を保護し、足部を安定させる機能もあると考えられています。
足底腱膜炎とは?
日頃の練習後、足裏に痛みを感じた経験はありませんか?もしかすると、それは「足底腱膜炎」かもしれません。
足底腱膜炎は40歳から60歳に多く、スポーツ選手では長距離ランナーに多く見られます。足底腱膜炎は、反復する微小外傷や過度の負荷が加わることにより生じるとされ、足関節の背屈制限や肥満が足底腱膜炎の危険因子と考えられています。つまり、足部の機能が低下していることに加え、運動負荷量や過体重により誰にでも十分起こりうる疾患なのです。
足底腱膜炎と診断されたら…
足底腱膜炎と診断されたら、保存療法が第一選択とされます。
保存療法は、①安静、②減量、③消炎鎮痛薬の投与、④装具療法、⑤理学療法が中心となりますが、一定期間の安静を要するケースが多く、最悪の場合、目標としていた大会(盛岡シティマラソンなど)に出場できない場合もあるのです。
私のところには足底腱膜炎を予防する目的で訪れる方が多くおりますが、メカニズムと予防法をご自身が知っておくことで十分に予防できる疾患であると考えています。今回は、日頃から実践しているトレーニングを少しだけご紹介します。
足裏の痛みを予防するための<基本セルフケア4選>
①下腿三頭筋(ふくらはぎの筋肉)・アキレス腱のストレッチ
→ふくらはぎやアキレス腱の緊張・短縮が原因で、足裏の痛みを引き起こすことがあります。日頃からストレッチで可動域を保っておくことが大切です!3種類のストレッチをご紹介します。
①膝をまっすぐにキープ+かかとを床につけた状態でのストレッチ(目安:30秒)
②膝を曲げる+かかとを床につけた状態でふくらはぎを伸ばすストレッチ
③膝を曲げた状態+かかとを浮かせた状態でふくらはぎを伸ばすストレッチ
これら3種類のストレッチはそれぞれ30秒ほどを目安に、筋肉の緊張がとれる感覚を確かめながら行ってみましょう!
②足底腱膜のストレッチ
→アーチの正常な機能を保つためには、足裏にある足底腱膜をしっかりケアしておくことが大切です!ご自身でできるセルフストレッチ種目をご紹介します。
▲足底腱膜のセルフマッサージ
座った状態で足の親指を矢印の方向に反らせるような形でストレッチさせると、足裏の内側に筋(すじ)のようなものが浮き上がってきます。これが足底腱膜です。ここをご自身の手でマッサージすることで、緊張を取ることができます。
▲テニスボールを使ったセルフマッサージ
ボールを使ったセルフケアも効果的です!
足の裏でボール踏むことで、足底腱膜の柔軟性を高めることができます。刺激に慣れてきたら、体重をかけた状態で小刻みにボールを動かしながらマッサージしてみてください。より細かい部分までケアしたい方は、これより小さくて硬いゴルフボールを使うのもオススメです!
③足趾把持筋力トレーニング(タオルギャザー)
→足部の機能をしっかりキープしておくためにはトレーニングで鍛えておくことも重要です。柔軟性だけでなく、足趾をしっかり動かせる筋力もつけておきましょう!
▲タオルギャザーエクササイズ(足裏の筋力トレーニング)
写真のように足裏にタオルを敷き、足の指をうまく使ってタオルを指のところまでたぐりよせるトレーニングです。足指を大きく開いたり、つかんだりする機能を鍛える種目なのですが、アーチをしっかり保つために重要な種目です!タオルだけでは負荷が軽いという方や、アスリートの方、記録を狙うランナーの方はぜひ写真右側のように、タオルに重りを乗せて負荷を高めた状態でトライしてみてください!
④足関節周囲筋力トレーニング
→足関節まわり(ふくらはぎ〜足裏)の筋力を鍛えるメニューです!
壁に寄りかかるようにして、体重をつま先方向にかけた状態を作ります。この体勢から3種類のつま先立ちトレーニングを行います!
画像のように、真上にあげる(赤)・小指側/外側にあげる(黄色)・親指側/内側にあげる(緑色)といった3種類の動きをそれぞれ10回ずつを目安に行ってみましょう。ふくらはぎの筋肉が使われている感覚を確かめながら、大きく動かしてみてください!
その他にも...
⑤いきなり運動量を増やすのではなく、徐々に距離を伸ばす、時間を伸ばす工夫をする
(活動量を制限する)
⑥自分の足に靴が適合しているかをチェックする
(当ジムでチェックすることも可能です)
⑦クッション性の不十分な靴は避けるようにする
⑧練習後には足底をアイシングする
といった工夫をすることで、一定の効果を得ることができます。
以上、簡単なトレーニングから注意事項までお話しさせていただきましたが、当ジムでは上記の他に、利用者様一人一人の足部の特徴を評価しながら、より適切で質の高いトレーニングを実施しております。興味のある方はぜひBLUE8へお越しください。
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