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【おすすめ書籍】アスリートのトレーニングの質を高める書籍2冊(選手・指導者の方向け)

[2020.09.14]

岩手はようやく気温が下がってきて、朝夕は涼しい気候になってきました。コロナ禍ということで無観客試合となったり、これまで当たり前とされていたことが変わってきていたりと、スポーツの世界でも目にするニューノーマルの風景にもだいぶ慣れてきた気がします。

 

そんな中ですが9月ももう半ば。スポーツの秋、そして読書の秋でもあるこの季節ということで、今回はアスリートや指導者の方におすすめの書籍を2冊ご紹介したいと思います。どちらも素晴らしい本です!

 

 

①競技力向上のためのウエイトトレーニングの考え方

>>競技力向上のためのウエイトトレーニングの考え方(Amazon)

 

まずご紹介するのは9月に出版されたばかりのこの書籍です。トレーニング界で著名なコーチである河森直紀氏が書かれています。この本は具体的なエクササイズの紹介であったり、トレーニングの方法論(What:「なにを」・How「どのように」の部分)をピックアップしている書籍ではありません。

 

「そもそもなぜトレーニングをするの?」といった根本的な目的の部分、Why(なぜ)の部分が論理的に掘り下げられ、ひも解かれている本です。

 

・アスリートがウエイトトレーニングをするべき理由とは?(競技の技術練習だけではダメなのか?)

・トレーニングがどのように競技力向上につながるのか?

・ウエイトトレーニングの原則「漸進性過負荷の原則」「特異性の原則」「バリエーションの原則」とは?

などなど。

 

昨今はYoutube、Twitter、InstagramをはじめとしたSNSなど、いろいろなメディアを通じてトレーニングに関する情報が発信されています。一流選手のトレーニングを目にする機会も増えてきました。これらはとても参考になることも多いですし、有益なヒントが得られることもあります。しかし同時に、触れる情報が増えれば増えるほど必要になるのが取捨選択です。たとえば、憧れのスター選手が行なっているトレーニングの内容が、必ずしも今の自分の目標達成のために必要とも限りません。

 

一方で、この本の冒頭から説明されている「なぜトレーニングをするか?」という根本的な考え方が定まっていれば、溢れる情報の数々を”選ぶ or 選ばない”という判断を下す基準をもつことができます。著書の中では「アスリートがウエイトトレーニングをすることのWhyをトコトン突き詰めて考え理解しておけば、ウエイトトレーニングの適切なやり方(HowやWhat)は自ずと見えてきます」とあります。

 

一冊を通して、トレーニングをどのように練習スケジュールに組み込むか、または限られた時間をどんなトレーニングに使うかといった計画の考え方に大きく影響を与える内容になっていると思います。

 

◾️おすすめの方

・ウエイトトレーニングを取り入れる目的(Why:なぜ必要?の部分)を知り、整理したい方

・競技力を向上させたい選手、また指導する機会のある指導者の方

・ウエイトトレーニングに対してネガティブな印象やイメージをお持ちの方

・自分自身や、携わる選手のトレーニング計画を見直したい方

 

②ピーキングのためのテーパリング 〜狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために〜

>>ピーキングのためのテーパリング −狙った試合で最高のパフォーマンスを発揮するために− (Amazon)

 

こちらも河森氏の書籍です。この本は目標とする試合で最高のパフォーマンスを発揮するにはどうしたらいいのか?ということにフォーカスした内容になっています。

 

たとえば、

照準を合わせてきた大切な公式戦。直前までとても調子がよかったのに、試合前になってなかなかコンディションが上がらなくなってしまい、結局自分の持っている力を100%出し切ることができなかった...。

 

こんな経験を味わったり、実際のエピソードを耳にしたことはありませんか?

 

”練磨千日・勝負一瞬”と聞いたことがありますが、多くの場合競技成績を発揮するチャンスはまさに「一瞬」。ここでベストパフォーマンスを発揮するために努力してきたのであれば、このワンチャンスで力を出し切れるか・出し切れないかは非常に重要なポイントになりますよね。この本ではまさに、この「一瞬」である勝負の試合で最高のパフォーマンスを発揮するための戦略について、論理的に解説されています。

 

本書ではまず、狙った試合にベストコンディションで望めるようにコンディションを上げていき、そのピークを合わせる作業である「ピーキング」と、そのために練習やトレーニングの負荷を減らしていく手段である「テーパリング」についての解説からスタート。理想的なピーキングについての戦略や、うまくいかないパターンについても多くの事例を挙げて説明がなされています。試合直前の競技練習の組み方はもちろん、年間スケジュールの組み立てにも大きく影響する考え方がちりばめられた一冊です!

 

◾️おすすめの方

・大会前の調整に失敗したことがある方、または調整方法に迷っている方

・今後の大会のピーキングを成功させたい方

・よりシビアにピーキングが求められる「記録系競技(陸上・水泳・スキー・スケート・クライミングなど)」の選手や指導者、親御さん

→もちろん、ピーキングは他のどの競技にとっても大切な要素に違いありません

 

この2冊の著者である河森氏は、「S&Cつれづれ」というブログを運営されています。「アスリートが勝つためのトレーニング」というトピックの中でも、情報の質・量が特に際立ったブログです。私たちのトレーニング指導の際にも非常に参考にさせていただいています。

>>河森直紀氏ブログ:「S&Cつれづれ」

 

このブログをはじめ、ご紹介した2冊の本はシームレスに繋がりあった内容になっているので、合わせて参照するとトレーニングに対する考え方が深まっていきそうです。ぜひ、ご覧ください!

 

 

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