関節の役割分担(ジョイント・バイ・ジョイント理論)
体の各関節には、「安定することが主な役割」の関節と、「ダイナミックに可動することが主な関節」の2つがあり、それらは交互に並んでいるとする考え方があります。
例えば胸椎や股関節などは「可動性」が必要な関節ですが、動きが不足しているアスリートも多いです。それに関わって、腰椎や膝関節などの「安定性」が必要な関節がグラグラと過度に動かざるを得なくなり、痛みやパフォーマンス低下につながったりすることもあります。
たとえばチームスポーツではポジションによって様々な役割がありますよね。
サッカーではGK、DF、MF、FWがそれぞれの仕事・役割をこなすことで試合が成り立っていくと思います。例えばDFであれば「守ること」が主な役割になると思いますし、FWであれば「攻撃すること」がそれに当たるはずです。
たとえば、もしある1人のDFの選手が「守備を十分にできない・こなせない」という状態になっていたら、どうなるでしょうか。ほかのポジションの選手がカバーせざるを得なくなりますよね。そうなると、フォーメーションや戦術に穴ができてしまったり、チームとしてうまく機能することは難しくなるでしょう。
これはカラダでも同じことがいえます。
例えば股関節には「可動する」という大事な役割があります。しかし、股関節周りの筋の柔軟性や筋力、使い方(モーターコントロール)に課題があると、うまく「可動する」という仕事ができていない状態になってしまいます。このような状態になると、本来動くべき股関節が十分動かないところを、お隣の「腰椎」の過度な動きでカバーすることになってしまいます。
しかし、腰椎の役割は「安定すること」です。本来は安定するべき腰椎がグラグラと動いてしまうと、機能不全を起こして腰痛につながってしまったりします。パフォーマンスも上がらないかもしれません。
トレーニングやウォーミングアップ、日常のケアでは、可動性が必要な関節にはしっかり可動させるエクササイズを、安定性が必要な関節には安定性を高めるエクササイズを組み込んでいくと良さそうです!
■胸椎を「可動」させるエクササイズ
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■腰椎を「安定」させるエクササイズ
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■股関節を「可動」させるエクササイズ
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それぞれの関節に必要な機能を、コツコツ高めていきましょう!
>>参考文献
中丸宏二, 小山貴之, 相澤純也, 新田收監訳. ムーブメント ファンクショナルムーブメントシステム:動作のスクリーニング, アセスメント, 修正ストラテジー. 有限会社ナップ. 2014.