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【インタビュー】なぜ投球障害を知ることが重要なのか?(理学療法士 / 菊池賢汰トレーナー)

[2019.10.23]

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チーフトレーナーの君塚です。

いよいよイベントが今週末に迫りました。おかげさまで現在までに20名を越える方からお申し込みをいただいています。多くの方にとって投球についてじっくり考える充実した時間をお届けしたいと思っています。

 

今回の担当は理学療法士である菊池賢汰トレーナー。投球動作をはじめ野球選手のコンディショニングに精通し、医療とスポーツの現場でこれまで多くのアスリートをサポートしてきています。自身は花巻東高校硬式野球部出身で競技者としての経験も豊富。面白い話が聞けるはずです。

 

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「もっと球速を上げたい」

「もっとスローイングを良くしたい」

「肩を強くしたい」

 

私自身も学生の頃ずっと野球をしていましたが、これらは野球選手にとって誰しもが考えることだと思います。

 

当初こんな思いを解決するようなイベントを立ち上げようと私が企画したとき、菊池君はこれらを考える上でまず「投球障害」を中心テーマとして考えたいということをずっと話していました。なぜなら根本的な身体の構造を知り、ケガが発生する仕組みを理解することはすなわち、投球パフォーマンスを向上させることを理解することに直結するからです。

 

今週末のイベントを前に、その「投球障害」について菊池トレーナーにインタビューしてみました。

 

なぜ、投球障害を知ることが大切なのか? 

 

「これまで色々な年代やポジションの野球選手を担当してきている中で、特に身体のどの部位の障害が多いですか?」

 :多い順に肩、肘、腰の障害ですね。

肩や肘の投球障害でいうと、特に小学生や中学生の年代だと骨ができあがっていないので骨軟骨関連の障害が中心です。骨ができてくると、今度は靭帯の障害が多くみられるようになってきますね。

 

腰痛の要因は様々ですが、どの年代にも共通して多いです。 

 
 
 

「やっぱり肩肘が多いんですね。腰についても今度じっくり聞きたいんですが、肩や肘の投球障害でいうと痛めてやってくる選手に共通する特徴は何かありますか?」

:肩の場合は使いすぎ(オーバーユース)が原因になっていて球数制限をすれば防げるケースもありますが、肩以外の他のところの機能低下が痛みにつながっていることの方が多いです。

 

肘についても同じで、肘自体の問題ではなくて肩や体幹であったり、前腕の筋肉の機能などに問題があることが多いですね。機能やフォームの改善で良くなっていきます。

 

あとは、小・中学生の年代ではとくにパフォーマンスの高い子の方が痛めることが多いんですよね。

 

ジュニアであれプロであれ完璧なフォームの人はいなくて、投球動作をすると肘や肩には必ず少なからず負担がかかっています。腕の振りが速ければ速いほど、ストレスも大きくなります。フォームの問題もありますが、特にこの年代だと競技パフォーマンスのレベルが高ければ高いほど投球障害のリスクは上がるといえます

 

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「なるほど。ということは小・中学校でエースだったり選抜に選ばれるような選手であればなおさら、投球障害のことをちゃんと考えないといけないんですね。」

:そうですね。でも、まだ球速があまり出なかったり肩がそれほど強くない選手であっても注意は必要です。

 

パフォーマンスが低いとそれだけ体へのストレスも少なくなるので痛み自体が出にくいんですが、痛みそのものが出ていなくても骨や靭帯にはすでに問題があるということも少なくないんです。 

 

 

「痛みなく普通にプレーできているからといって、肘や肩に問題がないとは限らないということですか?」

:そうなんです。たとえば、実はすでに肘の内側にある内側側副靱帯に損傷があったとしても、普通に投げれてしまう子もいます。

 

離断性骨軟骨炎(OCD)という自覚症状がなかなか出ない肘の投球障害もあります。この障害は使いすぎ(オーバーユース)と関係なくみられるもので、早期に発見するために野球肘検診の取り組みが行われています。私が検診を担当していて離断性骨軟骨炎の所見がある子は1割くらいだと思います。やはり発見は早ければ早いほど良いと言われています。

 

小・中学生でまだ運動強度が低い段階では、「痛み」などの症状が出ずに肘や肩の問題がマスキングされてしまうことも多いです痛みがないから問題がないのではなく、早期に治療やフォームの改善などの対策をしないと、いずれ競技歴を重ねてパフォーマンスが上がっていった時に痛みが発生してしまうことに繋がります

 

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「なるほど。これは選手自身はもちろん、多くの方が頭に入れておかないといけない事実ですね。」

:そうですね。できるだけ早期に発見するのはもちろん、選手自身や周りの方がリスクファクターにいち早く気付くことが理想だと思います。

 

たとえば体の機能としては投球パフォーマンスを高めるためにも肩関節そのものだけでなく、肩甲骨がしっかり機能したり(特に後傾)、胸椎や胸郭の動き、股関節などをトータルで含んだ可動域がしっかり保たれていることが大切です。投球動作ではTER(Total External Rotation)とよばれる重要な要素にかかわってきます。

 

他にも回内筋群など、前腕の筋群の機能も欠かせません

 

そして、それぞれの部位が投球の中で適切なタイミングで機能するフォームづくりをしていくのが理想です。体に必要な機能やフォーム、リスクファクターなど、この辺りは26日のセミナーでくわしく取り上げていきます。

 

 

サムネ(2019.10.15).002

 

 

 

菊池トレーナー、ありがとうございました!

 

特に多くの選手や保護者の方にとって、体の構造やケガについて目を向けるタイミングは「ケガを起こしてプレーできなくなってから」「痛みが出てきてから」ではないでしょうか。しかしインタビューの中にもあるように、障害を予防するための取り組みはいつどの年代であれ必要不可欠なことです。

 

ケガを学ぶことは決してネガティブな方向を向いた取り組みではありません。自分自身がなりうる最高の選手になるために、そしてより良い選手を育成するためのポジティブな取り組みです。

 

最近は野球に限らず、選手自身が自ら体について情報を仕入れていく時代になってきています。ケガを知ることはパフォーマンスアップを知ることに直結します。

 

26日のイベントではそもそも投球障害にどんなものがあり、そしてどうすれば予防してパフォーマンスを高めていくことができるのか様々な情報をつかめる時間をお届けできると思います。

 

ぜひ、ご期待ください!

 

この記事を書いた人サムネ(2019,12,10).001

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